住宅ローンと同時に車のローンを組むことを検討している方の中には、2つのローンを返済していくのはきついのではないかと不安を感じている方もいるでしょう。住宅ローンと車のローンの併用は可能ですが、毎月の返済額が増えることで家計を圧迫し、経済的な余裕がなくなる可能性もあります。
本記事では、住宅ローンと車のローンを併用する際の注意点や、返済を無理なく続けるための対処法を詳しく解説します。
目次
住宅ローンと車のローンは併用できる?
住宅ローンと車のローンの併用は可能です。ただし、実際に借入れが可能かどうか、また、いくら借り入れられるかは、返済負担率などに左右されます。
返済負担率とは、年収に占めるローンの年間返済額の割合を表したもので、低いほど返済の負担は軽く、反対に高いほど負担が重くなります。住宅ローンと車のローンを併用した場合の返済負担率が、信用金庫や銀行などの金融機関が定める一定の基準を超えなければ、併用できる可能性はあると考えられます。
住宅ローンと車のローンの返済はきつい?
住宅ローンと車のローンを併用すると返済負担率が高くなるため、家計の負担は重くなるでしょう。返済負担率は以下の計算式で求められます。
返済負担率(%)=年間の返済額÷年収×100
たとえば、年収が500万円で年間の住宅ローンの返済額が120万円の場合、返済負担率は24%です。加えて、年間の車のローンの返済額が80万円だとすると、返済額の合計は200万円となり、返済負担率は40%に上昇します。
この場合、年収の約4割を返済に充てることになり、家計を圧迫することが予想されます。
住宅ローンと車のローンを併用するときの4つのポイント
住宅ローンと車のローンを併用する際は、次の4つのポイントに留意して計画的に利用しましょう。
- 返済負担率を考えて借入額を決める
- 入念な返済計画を立てる
- 不用意にほかのローンを増やさない
- 同じ金融機関でローンを組む
それぞれのポイントを確認していきましょう。
返済負担率を考えて借入額を決める
返済負担率が高くなりすぎないよう、全体の借入額をできるだけおさえましょう。返済負担率が高い場合、家計を圧迫し、生活が苦しくなってしまう可能性があります。住宅ローンと車のローンを併用する場合の返済負担率を把握したうえで、慎重に検討しましょう。
たとえば、国土交通省の「令和6年度住宅市場動向調査報告書」 によると、住宅ローンがある世帯の住宅の種別ごとの年間返済額と、世帯年収に占める返済負担率の平均は以下のとおりです。
| 住宅の種別 | 年間返済額 | 返済負担率 |
| 注文住宅 | 144万8,000円 | 18.4% |
| 分譲戸建住宅 | 132万1,000円 | 17.6% |
| 分譲集合住宅 | 126万5,000円 | 16.1% |
| 既存(中古)戸建住宅 | 109万3,000円 | 16.3% |
| 既存(中古)集合住宅 | 114万円 | 17.8% |
| リフォーム住宅 | 73万7,000円 | 12.7% |
注文住宅は年間返済額が144万8,000円と最も高く、返済負担率も18.4%とほかの住宅の種別に比べて最も大きくなっています。これらの数値を参考にして、さらに車のローンを併用した場合の年間返済額や返済負担率をシミュレーションし、返済可能かどうかを検討することが大切です。
入念な返済計画を立てる
将来のライフイベントも踏まえて、無理のない返済計画を立てることをおすすめします。返済負担率が高くなると、家計を圧迫するだけでなく、将来発生する出費に対応できなくなる可能性があるためです。
たとえば、子どもの教育費や老後資金の準備のほか、病気やけがで入院・療養する際の費用などが必要になることもあります。必要なときのために十分な資金を確保しておけるよう、入念に検討して返済計画を立てましょう。
なお、年代別の主なライフイベントや費用の目安については、こちらの記事を参考にしてください。
不用意にほかのローンを増やさない
家計における返済負担を大きくしないよう、住宅ローンと車のローン以外の借入れはできるだけ増やさないようにしましょう。
特に、住宅ローンや車のローンの返済が苦しいからといって、カードローンやフリーローンなどで借り入れたお金を返済に充てることは避けましょう。借入れを別の借入れで返済すると、返済管理が難しくなるうえに、金利負担と総返済額が増えてしまうかもしれません。
同じ金融機関でローンを組む
住宅ローンと車のローンを同じ金融機関で組むことで、返済管理がしやすくなります。
同じ金融機関でローンを組む場合、返済日や引き落とし口座を統一できるケースもあり、支払い管理の手間を減らせるでしょう。入金忘れによる返済の遅れなどを防ぐ効果も期待できます。
住宅ローンと車のローンの返済がきついときの3つの対処法
住宅ローンと車のローンの両方を組んだ場合、返済がきついと感じることもあるでしょう。その際は、次の3つの対処法を検討してみましょう。
- 金融機関への相談
- ローンの借り換え
- 車の買い替え・売却
それぞれの対処法について、詳しく解説します。
金融機関への相談
住宅ローンと車のローンの返済が困難なときは、返済が遅れる前に、借入先の金融機関へ早めに相談することをおすすめします。相談内容に応じて、以下のような返済負担の軽減措置を検討してくれる場合があります。
- 返済期間の延長
- 一定期間、利息のみの支払い
なお、車のローンは、契約後に返済期間を延長できないのが一般的です。住宅ローンも原則として返済期間は延長できませんが、金融機関に相談することで、返済条件の変更に応じてもらえる場合があります。そのため、返済が厳しいと感じた場合の主な相談先は、住宅ローンを契約している金融機関になります。
相談する際は、車のローンの返済額や借入期間などの詳細のほか、家計の収支状況などについての情報提供を求められることがあります。スムーズに情報を提供できるよう、準備したうえで相談に臨むとよいでしょう。
ローンの借り換え
住宅ローンや車のローンをより低金利のものに借り換えることで、返済負担を軽減できる可能性があります。毎月の返済額を減らすことができれば、その分生活費にゆとりを持たせられます。特に、以下のようなケースでは、借り換えによるメリットが大きくなるでしょう。
- 借り換え前後で金利差が大きい場合
- ローン残高が多い場合
- 返済期間が長く残っている場合
しかし、借り換えれば必ず負担が軽減されるとは限りません。住宅ローンの借り換えには事務手数料や保証料、抵当権抹消・設定などの登記費用が発生します。これらの費用がかかりすぎると、かえって負担が増す可能性もあるため注意しましょう。
借り換えを検討する際は、金利差や諸費用を含めたシミュレーションを行い、本当に返済負担を軽減できるか十分に確認することが大切です。
なお、ローンの借り換えについて詳しく知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。
車の買い替え・売却
安い車に買い替えたり、思い切って売却したりすることで、毎月の返済額を減らせる可能性があります。
ただし、車を売却する際は、利用しているローンの種類によって名義の扱いが異なる点に注意しましょう。ディーラーローンや信販会社のローンの場合、車の所有権は販売会社や信販会社に留保されているため、ローン完済前に自由に売却することはできません。売却するためには、まずはローンを自己資金などで完済し、車の名義を自分に変更する必要があります。
一方、信用金庫や銀行のマイカーローンでは購入時から契約者本人の名義となるのが一般的なため、返済中でも車を売却し、売却代金をローンの一括返済に充てられるケースもあります。
買い替えや売却でどのくらいローン残高を減らせるのかシミュレーションし、返済計画を立て直すのも1つの方法です。
住宅ローンと車のローンについてのよくある質問
住宅ローンと車のローンを契約し、返済していくにあたって、疑問に思うことも出てくるでしょう。ここでは、住宅ローンと車のローンについてのよくある質問に回答していきます。
住宅ローンと車のローンはどちらを優先すべき?
住宅ローンと車のローンを利用する際に、返済負担率を考えて併用が難しい場合は、住宅ローンを優先して借りることをおすすめします。住宅ローンのほうが金利は比較的低く、借入期間も長いため、毎月の負担をおさえやすいためです。
住宅ローンと車のローンをまとめることはできる?
住宅ローンと車のローンは、原則として1つにまとめられません。住宅ローンや車のローンはそれぞれが目的別ローンの1つであり、利用目的に応じた金利や借入期間が決められているためです。
なお、一部の金融機関では、住宅ローン利用者向けのローンとして幅広い資金ニーズに利用できる商品が提供されている場合があります。
住宅ローン・車のローンが支払えないとどうなる?
住宅ローンや車のローンの返済が滞ると、自宅が裁判所を通じて強制的に売却されたり、車が引き上げられたりする可能性があります。このような事態を避けるためにも、返済が難しいと感じた段階で、早めに借入先の金融機関へ相談することが重要です。
住宅ローンと車のローンの返済がきついときは金融機関に相談しよう
住宅ローンと車のローンは、審査に通れば併用することは可能です。ただし、返済負担率が高すぎると家計を圧迫するだけでなく、そもそもローンの審査に通りにくくなる可能性もあります。
住宅ローンと車のローンを併用する場合は、返済負担率を考慮した無理のない借入額にし、新たにローンを増やさないようにするなど、計画的な資金管理が重要です。
もし返済が難しいと感じた場合は、早めに借入先の金融機関へ相談しましょう。
