車庫証明とは?取り方と申請手順、注意点などを徹底解説

車庫証明とは?取り方と申請手順、注意点などを徹底解説

読むのにかかる時間: 6

自動車の購入や転居に際して、欠かせないのが車庫証明の手続きです。しかし、初めての方にとっては「自分のケースで取得が必要か」「どう進めるべきか」と迷う場面も多いでしょう。本記事では、書類の準備から申請の流れ、手続きで失敗しないためのポイントを解説します。

車庫証明の正式名称は「自動車保管場所証明書」といい、自動車の保管場所を確保していることを警察署が証明する制度です。この制度は「自動車の保管場所の確保等に関する法律(車庫法)」に基づいて設けられており、路上駐車を防ぎ、交通の安全を守る目的があります。

車庫証明が必要になる主なケースは、次のとおりです。

  • 自動車を購入したとき
  • 引っ越しなどで住所が変わったとき
  • 譲渡や売買により名義を変更したとき

車庫法第3条により、保管場所(駐車スペース)が確保されていない状態での自動車登録は認められていません。そのため、一部の地域を除き、車庫証明は自動車を所有するうえで欠かせない手続きです。

普通自動車は、運輸支局(車のナンバープレートの交付や登録を行う機関)で新規登録や名義変更を行う際に、車庫証明の提出が必要です。そのため、車庫証明がないと登録手続きを進められません。

一方、軽自動車はルールが異なります。登録時に車庫証明を提出する必要はありませんが、お住まいの地域(主に都市部や県庁所在地など)によっては、購入後に警察署へ「保管場所届出」の手続きが必要です。対象地域かどうかは、管轄の警察署窓口またはWebサイトで事前に確認しておきましょう。

車庫証明の取得方法は、主に次の3つです。

  • ディーラーに依頼する
  • 行政書士に依頼する
  • 自分で取得する

ここでは、自分で取得する手順を解説します。

車庫証明の申請に必要な書類

申請には複数の書類を揃える必要があります。

書類名役割
自動車保管場所証明申請書警察署に保管場所の証明を申請する
所在図・配置図保管場所の位置とレイアウトを示す
保管場所使用権原を証明する書類※1 (自認書/使用承諾証明書など)その場所を駐車場として使用する権利を証明する
使用の本拠地が確認できるもの(該当する場合のみ)※2  申請者の住所と自動車の使用の本拠の位置が異なる場合に、使用実態を証明する

2025年4月より制度が簡素化され、「保管場所標章交付申請書」の提出は不要になりました。

※1 保管場所使用権原を証明する書類
駐車場として使用する正当な権利があることを示す書類です。ご自身の土地であれば自ら証明を行いますが、賃貸駐車場などの場合は土地(または駐車場)の所有者から使用の承諾を得る必要があります。
・車庫が自己所有の場合:自認書
・車庫が賃貸の場合:使用承諾証明書

※2 使用の本拠地が確認できるもの
住民票の住所と、実際に自動車を使用する場所が異なる場合は、公共料金の領収書や郵便物、運転免許証など、使用実態を証明する書類の提出を求められることがあります。

書類は警察署の窓口や、各都道府県警察のWebサイトからダウンロードできます。所在図には、自宅から車庫までの直線距離(2km以内)と、目印となる建物などを記載します。配置図には、駐車スペースの寸法や道路幅をメートル単位で記入します。公的書類のため、黒のボールペンを使用し、消せるペンの使用は避けるのがルールです。

記入内容に不備があると訂正や再提出が必要になるため、記入例を確認しながら不備のないように作成しましょう。

書類が完成したら、車庫(保管場所)の所在地を管轄する警察署の交通課窓口に提出します。受付時間は平日の日中に限られています。事前に確認しておきましょう。

申請時には、都道府県ごとに定められた手数料が必要です。2025年4月1日の制度変更にともない、それまで必要だった「保管場所標章交付手数料」は廃止されました。現在は、申請手数料(約2,300円。都道府県により異なる)のみで手続きできます。

申請が受理されると、控え(受付票)が交付されます。証明書の交付には通常3〜7日程度かかるのが一般的です。指定日以降に再度警察署へ行きましょう。

窓口で控えを提示し、「保管場所証明書(車庫証明書)」を受け取れば、手続き完了です。

なお、2025年4月より「保管場所標章(シール)」は廃止されたため、シールを車に貼る必要はありません。受け取る書類も証明書のみとなり、手続きが簡素化されています。

ここからは、車庫証明に関するよくある質問について一問一答形式で分かりやすく解説します。

普通自動車の場合、車庫証明がなければ、運輸支局で新規登録や名義変更ができず、車検証やナンバープレートが交付されません。結果として納車や名義変更の完了が遅れます。車庫証明の交付には数日かかるため、スケジュールには十分に余裕を持って準備を進めましょう。

書類に不備があると、窓口で受理されず、訂正・再提出が必要になります。再提出になると、交付までの期間が延びる可能性があるため、提出前に記入内容を念入りに確認することが大切です。間違えやすいポイントとして、自宅と保管場所が異なる場合の住所や、車台番号・型式などアルファベットと数字が混在する項目の書き誤りがあります。車検証と一字一句相違がないか確認しましょう。

車庫は自宅(使用の本拠地)から直線距離で「2km以内」にある必要があります。この距離制限を超えていると、適正な保管場所として認められず、申請が受理されない場合があります。

警察署が距離の確認や現地調査を行うこともあるため、駐車場を契約する前に、自宅から車庫までの直線距離が、規定の範囲内(2km以内)であることを必ず確認しましょう。

代理人に依頼して車庫証明を申請する場合、委任状の作成が必要になることがあります。なお、報酬を受け取って書類の作成を代行できるのは、原則「行政書士」のみです。2026年1月1日施行の行政書士法改正により、名目を問わず無資格者が報酬を得て書類作成代行の禁止が、条文上でより明確になりました。

ディーラーなどに依頼する場合、提携する行政書士が書類作成を担当し、料金に「行政書士報酬」などの内訳があれば適正な手続きとなります。一方、顧客本人が作成した書類を警察署に持参する「提出代行のみ」であれば、行政書士資格がなくても法律上の問題はありません。 依頼をする際は、誰が書類作成を行うのか、料金の内訳は明確かといった点を事前に確認しましょう。

まとめ

車庫証明は、車の登録や名義変更に欠かせない大切な手続きです。まずはご自身のケースで取得が必要かを確認し、書類の記入内容に漏れや誤りがないようにしましょう。

不備があると警察署への再提出が必要になり、納車のスケジュールにも影響してしまいます。代理人に依頼する場合は、2026年の法改正で明確化されたルールに則った手続きとなっているか事前に確認をすることが大切です。正確な準備を心がけ、手戻りなく手続きを終えられるようにしましょう。

執筆 佐藤静香

FPライター。損害保険会社に20年勤務後、Webライターとして活動。FPとしての専門知識と保険実務経験、子育ての経験をかけ合わせ、生活者目線でのお金の情報を発信。住宅・教育・車など、ライフイベントに関わる資金計画や保険、資産形成を得意分野とし、金融メディアを中心に解説記事を執筆。2級FP技能士。

  • 本コンテンツは一般的な情報提供を目的としたものです。
  • 各記事の掲載時点で信頼できると判断した情報源を基に作成したものですが、その内容および情報の正確性と完全性を保証するものではありません。
  • また、今後予告なしに変更されることがあります。