運転免許を取得する場合、多くの人が自動車教習所に通い必要な知識や運転技能を学びます。自動車教習所に通うには数十万円のお金がかかるため、足りなくて諦めている人もいるのではないでしょうか。この記事では、運転免許の取得方法と、教習所にかかるお金が足りない時の対処方法をまとめてお伝えします。
目次
運転免許を取得するには?
道路交通法において、自動車の運転免許を取得するには、住んでいる都道府県を管轄する運転免許試験場にて運転免許試験を受け合格しなければならないと定められています。運転免許試験には、運転するための必要な知識や適性を問われる試験だけでなく、実際に路上に出て受ける技能試験もあるため、多くの人が自動車教習所に通い運転技能を学び、免許取得を目指します。
自動車教習所に通わず、直接運転免許試験場で試験を受ける「一発試験」もありますが、運転技能を学ばずに合格を目指すのは、現実的ではありません。
警察庁の2023年の運転免許統計によれば、普通自動車の運転免許試験に合格した人の98.6%は指定自動車教習所(※)を卒業しており、「通学免許」や「合宿免許」など教習所で学ぶのが一般的です。指定自動車教習所を卒業すると、免許試験の技能試験が免除されるため、運転免許試験場で受ける適性試験と学科試験に合格すれば免許を取得できます。
(※)指定自動車教習所とは公安委員会が指定している教習所のこと
通学免許と合宿免許の違いとは?
指定自動車教習所の中には、自宅から通う通学免許と、泊まり込みで受ける合宿免許があります。どのような違いがあるのでしょうか。
通学免許の特徴
通学免許は、自宅から教習所に通って免許取得を目指します。自分の都合に合わせて少しずつ教習を受けられるため、自分のペースでじっくり勉強できること、よく知っている道で練習できることなどがメリットです。
一方で、学生の休みと重なった場合、たとえば春休み期間や夏休み期間は教習所が非常に混雑しているため、技能教習の予約が取りづらく、卒業までの期間が長くかかるといったデメリットがあります。
合宿免許の特徴
合宿免許は、指定された宿泊施設に泊まり込み、決められた教習を集中的に受けて免許取得を目指します。効率よく教習を受けられるため、最短2週間程度で卒業検定を含む全日程を終え、卒業を迎えられます。費用が通学免許より安い傾向にあることもメリットです。
一方で、まとまった休みを取らなければいけないことや、自分のペースで教習が進められないといったデメリットがあります。仮免許試験で3回不合格が出てしまった場合には、一時帰宅し地元免許センターで仮免許を取得後、再入校になるので注意しましょう。
運転免許教習の費用が足りない時の対処方法とは?
運転免許教習を受けるためには、教習所に申し込む際に教習費を一括納入するのが一般的です。入校時期、教習所、MT車かAT限定かにもよりますが、通学免許の場合は25~40万円、合宿免許の場合は宿泊費や食費込みで20万円~33万円程度のお金がかかります。貯金が足らず、教習費を準備できない場合はどうすれば良いのでしょうか。諦めなくて済む方法をお伝えします。
教習所の分割払い制度を活用する
教習所の中には、金利のかからない分割払いや都度払い制度を設けているところもあり、活用すれば一度にすべての金額を支払うことを避けられます。
分割方法や支払回数などの設定は教習所によって違いがあるものの、手数料はかからない場合が多いようです。ただし、分割払いの多くは、卒業までに全額を支払う必要があるため、短期間での卒業を目指している場合は注意が必要です。
また、都度払いは、入学時に技能教習や検定にかかる料金以外の分について支払いを済ませ、残りは実際に技能教習や検定を受けるときにその都度支払うという方法です。技能教習は34時間以上(AT車は31時間以上)と定められており、教習所により差はあるものの1時間当たり4,000円から5,000円程度が目安となります。
教習所によって分割払いや都度払い制度の内容が異なります。また、合宿免許では利用できない場合が多いため、契約前によく確認しましょう。
ローンを活用する
教習所にかかる費用について、信用金庫や信販会社のローンを活用する方法があります。また、学生であれば大学生協のローンも活用できます。
信用金庫が扱うマイカーローンは、自家用自動車やオートバイの購入資金だけではなく、運転免許取得にかかる費用も借りることができます。信販会社や大学生協よりも金利が低く設定されており、返済期間も長期間で設定できる場合が多いです。返済期間が長期間になると利息分の加算により、支払総額が多くなりますが、毎月数千円ずつ、コツコツ返済できるという点はメリットと言えるでしょう。ただし、安定継続した収入がある方を対象としているため、安定した収入がない学生などは原則として対象になりません。例外として、就職先が内定している学生の場合は、収入がなくても対象となる特例を設けていることもあるため、詳細はお近くの信用金庫に問い合わせてみるとよいでしょう。
クレジットカード会社など信販系のローンであれば、収入のない学生も保証人を立てることで活用できる場合がありますが、信用金庫や銀行のローンよりも金利が高いことに注意が必要です。
また、教習所に通う本人が大学生であれば、大学生協のローンを利用するのもひとつの方法です。信販系ローンよりも金利が低いこともあり、生協の組合員であれば利用できます。
ただしこのローンは、大学生協ローンと提携している教習所でなければ利用できません。また、親権者が連帯保証人となり審査を受ける必要があります。
運転免許取得でローンの活用を検討する際には、提携しているローンの取扱い機関や貸付条件、金利をしっかり確認し、できるだけコストが少なくて済む方法を吟味するようにしましょう。
信用金庫 | 信販会社 (提携ローン) | 大学生協 | |
社会人 | 〇 | 〇 | × |
大学生 | △(就職内定者) | △(親権者の同意) | △(親権者の同意) |
支払回数 | 3回~180回 | 3回~60回 | 3回~36回 |
金利(手数料) | 1%~3% | 3%~13% | 9% |
教習所の費用を抑える方法とは?
少しでも費用を抑えて運転免許証を取得したいという方のために、自動車教習所に支払う費用について、できるだけ費用を抑える方法をお伝えします。
・AT限定免許を取得する
通学免許も合宿免許も、MT免許ではなくAT限定免許の取得の方が数万円安く済みます。趣味や仕事でMT免許が必要でない場合は、AT限定にすると良いでしょう。
・キャンペーンを利用する
教習所によっては、早期予約で安くなる早割、複数で申し込むと安くなる複数割などの割引キャンペーンを行うところもあります。また、学生を対象にした、学割をおこなっているところもあるので調べてみると良いでしょう。
・閑散期に申し込む
自動車教習所には、申し込む人が増える繁忙期と空いている閑散期があり、閑散期になるとキャンペーン等で費用が安くなる場合があります。また、通学免許であれば教習の予約も取りやすく、短期間での取得も可能となるでしょう。なお教習所には学生が多く通うため、一般的に繁忙期は、春休みや夏休みなど学生の長期休暇の時期となります。
・合宿免許で取得する
社会人には難しい方法となりますが、2~3週間程まとまった休みが取れる人は合宿免許による取得が費用を抑える方法の一つとなります。
まとめ
運転免許を取得するためには、自動車教習所で教習を受ける人がほとんどです。教習所に入る際、20万円~40万円など多額の費用がかかりますが、お金が足りない場合は教習所の分割払いやローンなどを活用するとよいでしょう。ローンの場合は、金利はかかるものの少しずつ返済していけるため、お金がなくても安心して教習所に通い始められます。
信用金庫のマイカーローンは、運転免許取得費用にも利用でき、信販会社と比較して、金利が低く設定されています。また、大学生でも就職先が決まっていれば利用できることもあるため、気になる方は、お近くの信用金庫のホームページ等で確認してみてください。