しんきんマネーコラム
高校生の塾費用はいくら?相場から費用を安く抑える方法まで解説!

高校生の塾費用はいくら?相場から費用を安く抑える方法まで解説!

「高校生の塾費用は、一体いくらかかるのだろう?」この疑問は、お子さまの進学を考える上で切実な悩みではないでしょうか。進路によっては年間100万円以上かかることもあり、家計への負担は決して小さくありません。
この記事では、高校生の塾費用の相場から安く抑える方法まで、分かりやすく解説します。

高校生の塾費用の相場(学年別・指導形式別)

高校生の塾にかかる費用は、学年や指導形式によって異なります。
近年は対面指導だけでなく、場所や時間を問わず受講できるオンライン形式の塾も増え、選択肢は多様化しています。まずは、指導形式ごとの年間費用の相場を把握しましょう。

 高校1・2年生高校3年生
集団指導塾約57万円約79万円
個別指導塾約69万円約92万円
映像授業塾約35万円約49万円
家庭教師約39万円約72万円

表のとおり、個別指導塾が最も高額になる傾向にあり、一方で映像授業塾は比較的費用を抑えやすいことが分かります。また、いずれの形式でも高校3年生で費用が大きく増加しています。これは大学受験に向けて受講科目数が増え、志望校対策といった専門的な講座が必要になるためです。

※上記の年間費用は、一般的な学習スタイル(通常授業+季節講習)を想定した目安です。実際には、受講科目数や地域、選択するコースによって費用は変動しますので、ご留意ください。算出の前提は以下のとおりです。

【集団指導塾・個別指導塾・映像授業塾】
・高校1・2年生
 通常授業:2科目を、それぞれ週1回受講
 季節講習:夏期は通常授業に1科目追加して3科目、冬期・春期は苦手な1科目を受講
・高校3年生
 通常授業:3科目を、それぞれ週1回受講
 季節講習:夏期は通常授業に1科目増やして4科目、冬期・春期は重点的に対策したい2科目を受講

【家庭教師】
・高校1・2年生:週に1回(90分)の指導
・高校3年生:週に2回(90分)の指導

指導形式別の特徴

塾を選ぶ際には、費用だけでなく指導形式ごとの特徴を理解することが大切です。お子さまの性格や現在の学力レベルに合った選択をしましょう。

集団指導塾

集団指導塾は、仲間と切磋琢磨しながら学べる環境が魅力です。周りの生徒から良い刺激を受けたい、競争できる環境でこそ意欲が湧くというお子さまに向いているでしょう。ただし、授業は全体の進捗に合わせて進むため、自分のペースで学習を進めたいお子さまや授業についていけない可能性がある場合は注意が必要です。

個別指導塾

一人ひとりの理解度に合わせて丁寧な指導を受けられるのが強みです。定期テスト対策や特定の苦手科目の克服に適しているでしょう。一方で、大学受験の全範囲を個別指導で賄おうとすると、費用が集団指導塾より高くなりがちです。また、講師との相性や指導スキルに差が出やすいという側面もあります。

映像授業塾

映像授業塾とは、事前に収録されたプロ講師の授業を、校舎にある個別ブースやパソコン、タブレットなどで視聴する形式の塾を指します。自分の好きな時間に繰り返し学習できるのが大きな特徴です。
時間や場所に縛られず自分のペースで授業を進められるため、部活動などで忙しい現役生でも両立しやすく、うまく活用すれば短期間で学力を伸ばすことも可能です。他の指導形式に比べて費用も抑えやすいでしょう。一方、授業を見ただけで勉強した気になり、復習や演習がおろそかになるケースも少なくありません。計画的に学習を進める強い意志と自己管理能力が必要です。

家庭教師

自宅でマンツーマン指導を受けられるため、通塾の負担がなく質問もしやすい環境です。しかし、費用は高額になる傾向があり、個別指導塾と同様に、指導の質が講師個人の力量に大きく左右される点は考慮しておくべきでしょう。

塾費用を安く抑える方法

塾の費用は家計にとって大きな負担ですが、工夫次第で抑えることができます。ここでは、学習効果を維持しつつ費用を軽減する5つの方法を紹介します。

指導形式を見直す

指導形式の見直しは、費用を抑える上で非常に効果的です。例えば費用が高い個別指導塾から、比較的安価な集団指導塾や映像授業塾に切り替えるだけでも、月々の負担を軽減できる可能性があります。また、基礎的な内容は映像授業で学び、質問したい内容や苦手分野の克服だけ個別指導を組み合わせるといった、ハイブリッドな活用法も費用を安く抑えるのに有効です。

利用する科目を絞り込む

すべての科目を塾で学ぼうとすると、当然ながら費用がかさんでしまいます。大学受験で配点が高い科目や、自力での学習が難しい苦手科目に絞って受講することで、費用を大きく抑えられます。お子さまと相談しながら、どの科目に塾のサポートが必要かを見極めることが大切です。限られた費用と時間を、最も成果に繋がりやすい部分へ集中させることを意識しましょう。

塾の割引制度や特待生制度を活用する

受講生の負担を軽減するための割引制度を設けている塾もあります。兄弟姉妹で通う場合の「兄弟割引」や、成績優秀な生徒を対象とした「特待生制度」などが代表的です。そのほか、ひとり親家庭を支援する制度を設けている場合もあります。入塾前に、公式サイトを確認したり、直接問い合わせたりして、利用できる制度がないか確認しましょう。

季節講習だけ利用する

年間を通して通塾するのではなく、夏休みや冬休みといった長期休暇中の季節講習だけを利用するのも、一つの方法です。季節講習では、苦手科目の集中克服講座や、志望校の出題傾向に特化した対策講座など、目的が明確なプログラムが設定されている場合もあります。普段は学校の授業や参考書を中心に自分で学習を進め、必要なタイミングで集中的に専門的な指導を受けることで、塾費用を抑えられるだけでなく、メリハリをつけて効率的に学力を伸ばすことが期待できるでしょう。

入塾のタイミングを検討する

入塾するタイミングを見極めることも、初期費用を抑えるために有効です。多くの塾では、新学年が始まる前の2月~4月や、季節講習の前に「入塾金無料」「初月の授業料割引」などのキャンペーンを実施しています。急いで入塾する必要がなければ、こうした時期を待つのも一つの手です。

失敗しない塾選びの3つのポイント

費用だけでなくお子さまの学習効果も考慮した塾選びが何よりも大切です。ここでは、お子さまにとって最適な塾を選ぶために重要な3つのポイントを解説します。

料金体系の明確さ

まず確認すべきなのは、料金体系の明確さです。月々の授業料が安く設定されていても、後から教材費や施設維持費、季節講習費などが次々と追加され、年間の総額で予想を大きく上回ってしまうケースは少なくありません。入塾を検討する際には、必ず授業料以外に必要な費用を含めた年間の総費用を確認しましょう。可能であれば、複数の塾から見積もりを取り、総額で比較検討することをおすすめします。

指導形式と子どもとの相性

「集団で競い合う方が伸びるタイプか、個別でじっくり教えてもらう方が合うタイプか、もしくは自分のペースで計画的に進めるタイプか」などお子さまの性格に合った指導形式を選ぶことが非常に重要です。また、授業内容だけでなく、自習室の環境や質問のしやすさといった、授業以外のサポート体制もしっかりと確認しましょう。体験授業などを通して、お子さま自身が「ここで頑張れそうか」を肌で感じることが、入塾後のミスマッチを防ぐことにつながります。

合格実績や口コミ

塾の合格実績は、その指導力を測る客観的な指標の一つです。模試の受験者数が多い大手予備校や、特定の私立大学に強みを持つ塾など、塾ごとに特色があります。志望校が決まっている場合は、その大学への合格実績を確認しましょう。また、実際に通っている生徒や保護者の口コミも、教室の雰囲気などを知る上で非常に参考になります。口コミを通して教室の雰囲気や講師のサポート体制など、リアルな情報を得ることで、より納得した選択ができるでしょう。

まとめ

高校生の塾費用は年間約40万円〜100万円と高額になりがちですが、指導形式の見直しや割引制度を活用すれば、負担を軽減することも可能です。しかし、費用以上に重要なのは、お子さまの性格に合った学習環境を見つけることでしょう。その学習環境を整えるためには、長期的な視点での資金計画が不可欠です。今後の大学進学等も見据え、早いうちから積み立てや教育ローンなどを含めた計画的な資金準備を進めておくことをおすすめします。資金計画についてご不明な点がございましたら、お近くの信用金庫にお気軽にご相談ください。

執筆 佐藤静香

FPライター。損害保険会社に20年勤務後、Webライターとして活動。FPとしての専門知識と保険実務経験、子育ての経験をかけ合わせ、生活者目線でのお金の情報を発信。住宅・教育・車など、ライフイベントに関わる資金計画や保険、資産形成を得意分野とし、金融メディアを中心に解説記事を執筆。2級FP技能士。

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