しんきんマネーコラム
金利とは?生活への影響や利息の計算方法などをわかりやすく解説

金利とは?生活への影響や利息の計算方法などをわかりやすく解説

金利は、預金やローン、クレジットカードなどにおいて、私たちの生活に大きく関わる大切なものです。この記事では、金利に関する基礎知識や計算方法、生活への影響をわかりやすく説明します。金利について知り、今後の生活にぜひ役立ててください。

※本記事ではわかりやすくするために税金については考慮しておりません。

金利とは?

金利は、お金を預けたり、借り入れしたりする際、多くの人が気にするものです。なぜなら金利が上昇すると、金融機関にお金を預ける人は利息収入が増え、金融機関からお金を借りる人は支払う利息が増えるため、毎月の返済額が高くなる可能性があるからです。それでは、金利について解説していきます。

金利と利息(利子)の違い

金利とは、お金を貸し借りするときに生じる利息(利子)の元本に対する割合のことで、一般的には年利(1年あたりの利率)を意味します。
金利が上昇すると金融機関に預金している人の収入は増えますが、住宅ローンなどの借り入れをしている人は、返済総額が増えるため、我々の生活に大きな影響があります。
お金を預ける人にとっては金利が高いほうが、お金を借りる人にとっては金利が低いほうがいいですよね。

金利と似た言葉には、利息(利子)があり、混同して使われがちです。意味をしっかり理解しましょう。

・利息(利子)
お金を貸し借りする際に対価として発生するお金のことで、元本に金利(%)を乗じて算出します。ほぼ同じ意味を指す言葉として「利子」が使われる場合もあります。

私たちの生活にとても身近な金利

私たちの生活にとって金利が関わるシーンを見てみましょう。

シーン1:信用金庫や銀行などの金融機関にお金を預ける
金融機関にお金を預けると金利分の利息を受け取れます。

例えば、預金金利が年1%の定期預金に100万円を預けた場合、1年後に1万円(100万円×1%=1万円)の利息を受け取れます。預金金利が年3%であれば、1年後に受け取れる利息は3万円(100万円×3%=3万円)となります。金利が高い方が、受け取れるお金が大きくなります。

シーン2:信用金庫や銀行などの金融機関からお金を借りる
金融機関からお金を借りた場合、金利分の利息を支払います。

例えば、マイカー購入資金として100万円を年3%の金利で借りて1年後に一括返済する場合、借りた100万円に利息3万円を加えた103万円を返すこととなります。年1%の金利であれば返すお金は101万円となるため、金利が低い方が支払うお金は少なくて済みます。

このように、お金を預けて利息を受け取る場合と、お金を借りて利息を支払う場合、それぞれに金利が関わるのです。

変動金利と固定金利の違い

金利には、定期的に見直しが行われる「変動金利」と、ローンの固定金利期間中(契約期間中)に金利が変動しない「固定金利」があります。 変動金利は、世の中の金利の動きに応じて定期的に見直されます。一方固定金利は、固定金利期間中であれば、契約当初に決めた金利から変わりません。

単利と複利の違い

利息の計算方法には「単利」と「複利」があります。

単利は元本に対してのみ利息が計算されるのに対し、複利では、元本だけでなく利息にも利息がつきます。 例えば、100万円を年利3%で預けた場合、単利では1年後も2年後も3万円ずつ利息がつきます。一方1年毎の複利では、1年後に3万円の利息がつき、2年目は103万円に対してさらに3%の利息がつくため、3万900円の利息がつくのです。5年間預けた場合利息の合計は、単利は15万円、複利は15万9300円となり、複利の方が多く受け取れることがわかります。

なお、金利は金融機関によって異なります。また商品によっても、変動金利と固定金利、単利と複利で異なることにも注意が必要です。

金利はどうやって決まる?

金融機関の預金金利と貸出金利の関係から見ていきましょう。

金融機関は、皆さんから預金でお金を集めたり、お金が足りない人に貸し付けたりするのが仕事です。金融機関は、預金者に支払う利息と、貸出しで受け取る利息の差額が儲けとなります。たとえば、預金者から金利1%で100万円を集めて、その100万円をお金が足りない人に貸出金利3%で貸出したとしましょう。預金者には1万円の利息を支払いますが、貸付者から3万円の利息を受け取れるため、その差額である2万円が金融機関の儲けとなります。金融機関は一定の利益を得る必要があるため、貸出金利を下げると、預金金利も下げるのです。

さて、その預金金利と貸出金利に大きな影響を与えるのが、日本銀行(以下、日銀)が決める「政策金利」です。

日銀とは日本の中央銀行のことです。お札を発行したり国のお金を管理したり、民間の金融機関のお金を預かったり、お金を貸したりする銀行です。
政策金利は日銀が設定する短期金利のことで、日銀が金融機関に貸し付ける際の金利のことを指します。

政策金利が下がると、金融機関は、低い金利で資金を調達できるので、企業や個人への貸出においても、金利を引き下げることができるようになります。一方、政策金利が上昇すると、金融機関は、以前より高い金利で資金調達しなければならず、企業や個人への貸出においても、金利を引き上げるようになります。

金利の変動は私たちの生活にどう影響する?

金利が変わると、私たちの生活や企業活動にも色々な影響を及ぼします。

個人に与える影響は?

金利が変わると、私たちの生活にどのような影響があるでしょうか。

・金利が上がると…
お金を変動金利で借りている場合、金利上昇にともない支払利息が増えるため、毎月の返済額が多くなります。住宅ローンや自動車ローンなどの金利も上がるため、家や自動車を買う人が少なくなる可能性もあります。お金を使う人が少なくなれば、モノが売れなくなり、物価が上がりにくくなります。
一方で、金融機関の預金金利は上がるため、預貯金にお金を回す人が増えます。

・金利が下がると…
お金を借りる場合、支払利息が少なくなるため、住宅ローンや自動車ローンなどが組みやすくなります。毎月のローン返済額が減るため、家計に余裕が生まれます。また、低金利環境では預金の利息が少なくなるため、預貯金よりも消費や投資を選ぶ人が増える傾向にあります。

企業に与える影響は?

金利の変動は、企業にも大きな影響を与えます。

・金利が上がると…
利息が多くなるため、お金を借りることに消極的になります。設備投資や新規事業への投資を控える結果、収益拡大の見通しが立ちにくくなります。

・金利が下がると…
企業は借り入れがしやすくなるため、新規事業や設備投資を活発にすることが可能となります。その結果、企業の業績向上を期待する人が増えるでしょう。

利息ってどうやって計算するの?

お金を預けたり、借り入れしたりすると、金利と期間に応じて利息がかかります。ここからは利息の計算方法について説明します。

普通預金の利息の計算式

銀行にお金を預けるときの基本の預金口座が普通預金で、いつでもお金を預けたり払い出したりできる口座です。普通預金の利息は、定期的に入出金があるため1日ごとに計算します。
1日あたりの利息は次のように計算します。

1日あたりの利息=預入残高×金利(年利)÷365

金利が改定されたときには、改定された日から預金残高すべてに新しい金利が適用されます。利息の支払日には、前回の支払日から今回の支払日の前日までの利息を合計した金額が、口座に入金されます。

ローンの利息の計算式

ローンの利息計算では、元本(借入残高)に対して金利をかけて利息を計算することが一般的となります。
利息の計算方法は次のようになります。

利息額=元本(借入残高)×金利(年利)×借りる期間/年

なお、住宅ローンなどの場合は、返済方式として「元利均等返済」と「元金均等返済」があり、それぞれで利息額の計算方法が異なります。

まとめ

金利は、私たちの生活にとても身近なものです。金利が上がれば利息が増えて嬉しい一方で、お金を借りると返済金額が高くなってしまいます。
世の中の金利動向に関するニュースに耳を傾け、賢くお金を管理していきたいものですね。

執筆 鈴木さや子

株式会社ライフヴェーラ代表。CFP認定者、1級FP技能士、DCプランナー1級・キャリアコンサルタント(国家資格)。保険等商品を一切販売しないFPとして活動。取材執筆、消費者や企業向け講演のほか、個人相談も行う。専門はライフプラン・確定拠出年金。著書『資産形成の超正解100』(朝日新聞出版)他。

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