しんきんマネーコラム

ローンとは?~意味と仕組み・クレジットとの違いから注意すべき点までわかりやすく解説

「そもそもローンとはどういうもの?」「ローンの仕組みを知りたい」「ローンとクレジットとはどこが違うの?」
この記事ではこのような疑問について詳しくお答えします。この他にもローンを利用するときの注意点なども解説します。
ローンやクレジットについて詳しく知りたい人は、ぜひ参考にしてください。

ローンの意味と仕組み

ローンとは、「貸付」、「融資」という意味があります。信用金庫や銀行では、個人の方に融資(お金を貸す)する場合の商品のことをローンと言い、住宅ローン、マイカーローン、教育ローン、フリーローンなどがあります。マイホームや車の購入、子どもの教育資金などで出費が必要となった際に、貯蓄したお金だけでは足りない場合、金融機関から必要なお金を借りて支払い、その後毎月少しずつ返済していく仕組みです。
借りたお金を毎月少しずつ返済していくため、長期的に計画的な生活設計を立てるうえで役立ちます。

ローンとクレジットの違い

クレジットという言葉は、英語の「コンシューマー・クレジット(消費者信用)」を略した和製英語で「信用」や「信頼」という意味ですが、後払いの支払手段として一般的な言葉になっています。
ローンは「金融機関等からお金を借りて少しずつ返済する」という仕組みですが、クレジットは、一般に商品等の代金を後払いにすることをいい、「信用販売」とも呼ばれています。買い物等をするときに、その場に現金がなくても商品等の購入ができる、支払いを分割することができるなどの利点があります。
「あとから返す」という点は似ていますが、このように形態が全く異なるものです。

クレジットは、取引形態により「割賦販売」、「ローン提携販売」、「信用購入あっせん(包括・個別)」、「前払式特定取引」に分類されますが、今回は、最も一般的な信用購入あっせん(包括・個別)について紹介していきます。

●信用購入あっせん(包括・個別)の違い
信用購入あっせんとは、消費者が、商品等を購入する際、クレジット会社が消費者にかわって販売会社に代金の支払いをし、後日、消費者がクレジット会社に代金を2ヵ月超えて支払う取引形態をいいます。「信用購入あっせん」には、「翌月一回払い」は含まれません。
信用購入あっせんには、カード等を用いる「包括信用購入あっせん」とカード等を用いない「個別信用購入あっせん」に分類されます。

包括信用購入あっせん(クレジットカード)
消費者はカード等を利用して、一定の範囲内(利用限度額等)で反復・継続して商品等を購入することができます。
たとえば、50万円までの利用限度額が設定されたクレジットカードで、その範囲内で複数の商品やサービスを購入できるようにする契約のことをいいます。

個別信用購入あっせん(カードを用いない)
特定の商品やサービスについて個別に契約を結ぶ形式です。
消費者は購入ごとに契約を結び、それに基づいて支払いを行います。
たとえば、パソコンを購入する際、クレジット会社が加盟店に代金を支払い、消費者が分割払いによって購入できるようにする契約のことをいいます。車やスマートフォンの購入で多く利用されています。

つまり、利用者の目線で簡単にまとめると、次のようになります。
・ローン:借りたお金を後から少しずつ返す
・クレジット:商品やサービスの代金を後から支払う

ローンとクレジット それぞれのメリット

ではローンとクレジットそれぞれのメリットや特徴を見ていきましょう。

ローンのメリット

信用金庫や銀行などの金融機関では、用途や目的に合わせてさまざまなローンが用意されています。使い道が限定された目的ローンは、数百万~数千万円といった高額の借り入れに対応でき、使い道が自由なカードローンやフリーローンに比べて金利が低い傾向にあります。
また、フリーローンやカードローンは、資金使途が定められていないため、家具や家電の購入、冠婚葬祭、旅行などでまとまったお金が必要なときにも役立ちます。用途に合わせて、ローンを選択できる点がメリットといえます。
ただし、目的ローンでは、決められた資金使途以外では利用できないことは覚えておきましょう。

クレジットのメリット

金融機関のローンは、信用金庫や銀行などで手続きを行う必要がありますが、クレジットは、販売店で商品の購入と同時に手続きができるため、時間や労力がかかりません。また、クレジットカードを利用した場合、購入代金に応じて、ポイントが付与されるなどのメリットがあります。金融機関の休業日である、土日や祝日でも対応してくれる点はメリットといえるでしょう。

一般的には、高額の買い物はローン、少額の買い物にはクレジットが適していると言われています。ローンは高額な買い物に利用する分、返済は長期にわたる場合があります。クレジットは少額の買い物に利用するため、返済期間は短期になることが多いのが特徴です。

 ローンクレジット
特徴現金の借り入れ商品・サービスの購入
利用可能額資金使途により高額まで対応可能比較的少額
返済期間短期~長期短期~中期
審査高額は慎重(金額による)比較的簡易
金利比較的低い比較的高い

ローンやクレジットは、手持ち資金が不足していても、ほしい商品の購入できるため、非常に便利な仕組みですが、どちらも、お金を借りていることに違いはありません。計画的に利用するように心がけましょう。

まとめ

ローンを組むということは、将来の収入を今使ってしまうことも意味しています。この点が『ご利用は計画的に』という言葉の本来の意味です。
ローンとクレジットの共通点は借りたお金を商品やサービスの支払いにあてるということですが、仕組みは違います。ローンやクレジットを利用する際は、それぞれの相違点を十分理解し、無理なく返済できるかを事前によく検討し、自らの目的に応じた商品を選択し活用することが大切です。

執筆 桜井鉄郎

東証プライム上場の金融機関に勤務し、住宅ローンの相談販売などを担当。1級FP技能士、行政書士、宅地建物取引士、証券外務員1種、ビジネス実務法務検定2級。これらの経験や資格を活かし・不動産・相続・金融に特化したライターとして活動中。

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