しんきんマネーコラム
車のローンの借り換えはお得になる?メリットや注意点、手続きの流れを解説

車のローンの借り換えはお得になる?メリットや注意点、手続きの流れを解説

車のローンは毎月かかる固定費です。ローンの金利が高ければ、毎月支払う利息も多くなります。返済期間は5年以上の長期間となることがほとんどのため、金利は低いに越したことはありません。

この記事では車のローンを、ディーラーローンから信用金庫や銀行のローンに借り換える際の、メリットや注意点、手続きの流れを解説します。

車のローンを借り換えるメリットとは?

車のローンの種類は、主に以下の2つに分かれます。

  • 信用金庫・銀行のマイカーローン
  • 自動車販売店を通して組むディーラーローン

金利が高いディーラーローンから信用金庫・銀行のマイカーローンに借り換えするメリットについて解説します。

返済額が安くなる

ディーラーローンの金利はおよそ5~8%、信用金庫・銀行のマイカーローンではおよそ2%前後と金利に大きな差があります。
たった3%の差でも、長期で高額のローンとなると大きな差になります。

300万円の車を5年間のローンで購入した場合を見てみましょう。

 ディーラーローン信用金庫・銀行のマイカーローン
金利(一例)5%2%3%
毎月返済額5万6,613円5万2,583円-4,030円
総返済額339万6,779円315万4,968円-24万1,811円
利息39万6,779円15万4,968円-24万1,811円

上の表から分かるように、ディーラーローンから信用金庫・銀行のマイカーローンに借り換えることで、毎月の返済額が約4,000円、総返済額を最大約24万円も下げられます。

車の所有権を自分名義にできる

ディーラーローンでは、担保として車の名義を自動車販売店かローンを取り扱う信販会社としている場合がほとんどです。
一方、信用金庫・銀行のマイカーローンは担保が不要のため、ローンを借り換えることで、車の名義を自分名義に変更できます。

車のローンを借り換える際の注意点

信用金庫や銀行へのローン借り換えにはメリットもありますが、注意点もあります。
金利が低いからと安易に借り換えると損をしてしまうこともあるため、比較やシミュレーションをした上で借り換えましょう。

借り換えができない場合がある

金融機関によっては、業務用・事業用の車であったり、残存返済期間が短いとローンの借り換えができない場合があります。借り換え先の金融機関で、資金使途や借入条件が自分に合っているかを事前に確認しましょう。

残価設定型ローンを利用している

残価設定型ローンを利用している場合は、まずはディーラーに借り換え可能か確認しましょう。
残価設定型ローンとは、車の所有者がディーラーとなっており、数年後に返却することを前提としている特殊なローンです。借り換えると途中で契約終了となってしまうため、ローンの規約で借り換えを不可としているケースもあります。

手数料が発生する場合がある

借り換えの際は、複数の手数料が発生することがあります。

例えば、ローンの契約書に貼付する収入印紙代や車の名義変更手数料、繰上一括返済手数料などです。手続きには必要書類を集める手間もかかるため、しっかりシミュレーションした上で借り換えましょう。

車のローンの借り換えが向いているケースとは?

メリットと注意点を踏まえて、実際に車のローンの借り換えが向いている方と向いていない方を見ていきましょう。

借り換えが向いている方

借り換えで大幅に金利が下がる方や、車の購入時よりも家計の収支状況が良くなっている方は借り換えに向いています。

借り換えで大幅に金利が下がる

たとえば、金利が5%から2%になるなど、借り換えによって大きく金利が下がる方は借り換えに向いています。
特に信用金庫や銀行で住宅ローンを借りている方は、マイカーローンの金利が優遇される場合もあるので、ご利用中の金融機関で確認してみましょう。

家計の収支状況が良くなっている

車の購入時に比べ、キャリアアップで収入が増えた、子育てがひと段落して支出が減ったなど、家計の収支状況が良くなっている方で、返済額が増えても許容できるのであれば、返済期間を短縮することで利息を減らすことも可能です。

残価設定型ローンの契約終了後も車に乗り続けたい

残価設定型ローンでは、金利が5%前後に設定されていることが多いです。契約終了時、車を買い替えずにしばらく乗り続けたい方は借り換えが向いているでしょう。

残価設定型ローンの契約終了後は、以下のいずれかを選択する必要があります。

  • 車を返却する
  • 別の車に乗り換える
  • 残価を一括で支払って、車を買い取る

なお、契約終了後に車を買い取る際、ディーラーローンを再度組んだり、一般に金利の低い信用金庫・銀行のマイカーローンに借り換えると分割で返済できます。

借り換えが向いていない方

残りの返済期間が短い場合や、支払いに滞りがある場合は借り換えに向いていない可能性があります。

返済期間が1年未満

残りの返済期間が1年未満のときは、金利が低いからと借り換えても、手数料が余計にかかってしまうなどのデメリットが考えられます。

延滞したことがある

返済を延滞したことがある方は、マイカーローンの審査に通らない可能性があります。審査に通らなければ借り換えはできないため、返済の延滞には特に気を付けましょう。

借り換えの成功例

ここでは、借り換えの成功例をご紹介します。

20代のAさんは、社会人1年目に200万円の車を購入しました。
車の購入のためディーラーローンで200万円借りていましたが、月々の返済分が負担となっていました。
近くの信用金庫に用事で出向いた時、信用金庫でも車のローンを取り扱っていることを知ります。
窓口で相談したところ親身に相談に乗ってもらえ、金利も2%ほど下がる事が分かります。
Aさんは、「仮審査と本審査があり、書類を用意するのに手間はかかったものの月々2,000円ほど、総額20万円安くなりました。今まで信用金庫のローンの金利の良さを知らなかったが、月々の返済も楽になり固定費削減もできました。相談してみて良かった」と感想を述べています。

車のローンの返済額をより低くしたいなど、借り換え手続きや返済方法に疑問がある場合は「身近な信用金庫や銀行に相談する」ということも考えてみるといいかもしれません。

車のローンを借り換える方法

ディーラーローンから信用金庫・銀行のマイカーローンに借り換えるには、仮審査や必要書類の準備など準備が必要です。
借り換えの流れと必要書類について説明していきます。

借り換えの流れ

マイカーローンへの借り換えは以下のような手順で行われます。

  1. 借り換え先の信用金庫や銀行へ仮審査を申し込み通過する
  2. 現在借りているローン会社へ繰上げ返済したいことを伝える
  3. 必要書類を用意して本審査を受ける
  4. 本審査に通過後、融資された資金でディーラーローンの残債を返済する

最近では店頭の他、インターネットを通して審査や申し込みが完了する金融機関もあります。

必要な書類

一般的に車のローンを借り換える際に必要な書類などは以下のとおりです。

  • 本人確認書類(運転免許証やマイナンバーカードなど)
  • 所得を証明する書類(源泉徴収票、確定申告の控えなど)
  • 現在借りている車のローンの借入残高が分かるもの(返済予定表など)
  • 現在借りている車のローンの返済状況が分かるもの(通帳コピーなど)
  • 自動車検査証の写し(車検証)
  • 信用金庫・銀行の届出印

借入先によって必要書類は異なるので、必ず事前に金融機関へ確認しましょう。

まとめ

ディーラーローンから信用金庫・銀行のマイカーローンへの借り換えで、総支払額を減らせる場合があります。
借り換えを考えている場合は、現在のローン金利と残りの支払い期間を確認し、シミュレーションしてみるとよいでしょう。

執筆 赤瀬瑠美

京都府京都市出身。大学ではファイナンスを専攻。

新卒で生命保険会社に入社し、窓口業務や営業事務に15年間従事。

その後、フリーランスのライターとして、主に金融の記事を執筆。 2級ファイナンシャル・プランニング技能士。

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