しんきんマネーコラム
お風呂のリフォームにはいくらかかる?ローンや補助金なども解説

お風呂のリフォームにはいくらかかる?ローンや補助金なども解説

お風呂のリフォームのタイミングは?

お風呂のリフォームを考えるタイミングとしては、一定年数が経過した、不具合が出てきた、ライフスタイルが変化したときなどがあります。あてはまるものが出てきたら、リフォームの検討を開始するタイミングかもしれません。

15~20年がリフォームの目安

お風呂リフォームのタイミングとしては、使用年数が15~20年程度といわれています。お風呂は使用頻度が高いものですし、一日の疲れを癒すリラックスの場ですから、不具合が出てきて快適さが損なわれると気になるものです。15~20年程度の年数が経過してくると不具合が出てきやすくなります。

経年劣化による不具合

リフォームの大きなきっかけとして、経年劣化による不具合があります。パーツの取り換えなど簡易に修繕できる不具合もありますが、ユニットバスの交換など本格的なリフォームが必要になる場合もあります。以下のような症状が見られたら、早めにメンテナンスをしましょう。

(1)シャワー、蛇口、ゴム栓の不具合
(2)タイルのひび割れ、掃除しても取れないカビが目立つ
(3)換気扇の動きが悪い
(4)お湯の温度が安定しない
(5)排水溝の流れが悪い、異臭がする

ライフスタイルの変化

ライフスタイルや家族構成の変化は、リフォームの大きなきっかけとなります。

例えば
・子どもが生まれるタイミングでお風呂を広くきれいにする
・高齢になった親のために滑りにくく入りやすい浴槽に変えて手すりを付ける
・定年退職を迎えるタイミングで手入れが簡単な新しいお風呂に作り替える
など、いろいろなニーズがあるでしょう。

お風呂のリフォーム費用はいくらかかる?

在来工法とユニットバスの違い

お風呂のリフォーム費用は、ユニットバスか在来工法かによって異なります。最近では、工場で作られたパーツをはめ込むユニットバスが主流です。それぞれの違いを確認しておきましょう。

ユニットバス

ユニットバスは、浴槽と、浴室の天井、床、壁などがあらかじめセットで製造されています。パーツはすべて規格品ですが、浴室の広さやイメージに合わせて浴槽を選べるほか、床や壁の色や材質、手すりやシャワーなどもたくさんの選択肢があるので、好みやニーズ、予算に合わせて選べます。水はけがよく滑りにくい材質を選べば転倒予防になりますし、お手入れもしやすくなるほか、断熱性の高い浴槽を選べばお湯の温度が下がりにくく、節約効果も期待できます。また、現場では既製品を組み立てるため、ユニットバスからユニットバスへのリフォームは工期が短くできるメリットもあります。

在来工法

在来工法は、ユニットバスを使わない昔ながらの工法です。コンクリートで壁や床を作り、配管工事をして浴槽を設置し、モルタルやタイルで浴室を仕上げます。浴室のサイズを自由に設計できることや、浴槽の材質やデザイン性のあるタイルなどこだわりの浴室を作ることができます。ただし、タイル張りで冷えやすく滑りやすい、手入れに手間がかかる、工事に時間がかかりリフォーム費用も高くなりやすい傾向にあります。

お風呂のリフォーム費用の目安

ユニットバスからユニットバスにリフォームする場合と、在来工法からユニットバスにリフォームする場合では、作業工程や日数、かかる費用が異なります。どちらのタイプに該当するかを考えて、リフォーム費用を見積もっておきましょう。

ユニットバスからユニットバスへのリフォーム費用

工事の工程としては、古いユニットバスを取り外す、水道やガス、換気扇のダクトなど配管工事を行う、新しいユニットバスを搬入して組み立てる、内装工事やドアの取り付けをして動作確認をする、といった流れになります。費用には、ユニットバス本体費用のほかに、工事費用、取り外した古いユニットバスの処分費用等が掛かります。標準的な工事や設備であれば作業日数は4日間程度、費用は60万円から120万円程度が目安となるでしょう。選ぶユニットバスのグレードやオプションの種類によってはもっと高額になる場合もあります。

在来工法からユニットバスへのリフォーム費用

在来工法からユニットバスに変える場合には、古い浴室を解体するための手間と作業日数、処分費用が余計にかかります。そのため、ユニットバスからのリフォームよりも、在来工法からのリフォームの方が、費用が高くなりやすいといえるでしょう。標準的な工事や設備であれば作業日数は1週間から10日間程度、費用は60万円から150万円程度が目安となるでしょう。費用は選ぶユニットバスのグレードやオプションの種類と、もともとのお風呂の状態などよって異なります。

お風呂のリフォームはどこに頼む?

お風呂のリフォームの依頼先には、大手ハウスメーカー系列、地元の工務店やリフォーム業者、ホームセンターや家電量販店などがあります。それぞれの特徴を押さえたうえで、複数の業者から見積もりを取って比較して選びましょう。

大手ハウスメーカー系列のリフォーム業者

ハウスメーカー系列のリフォーム業者に依頼するメリットは、知名度があり信頼感があることです。ハウスメーカーはもともと共通の部材を多く用いて、短納期・低コストで住宅を供給する特徴がありますが、リフォームでも同様に、価格やサービスが標準化されてわかりやすく、丁寧なアフターフォローも期待できます。一方で、知名度がある分、広告宣伝費や手数料などがかかっているため、リフォーム費用が高めになる傾向があります。

地元の工務店やリフォーム業者

地域に根差した工務店やリフォーム業者は、大工や職人の顔が見えやすい特徴があります。自由度が高く、現場の状況に合わせて臨機応変に進めやすいところ、広告宣伝費や手数料が不要なため大手よりも低コストで依頼しやすいところがメリットといえます。ただし、業者ごとに価格や提案力、技術力にはばらつきが見られるでしょう。評判のいい工務店や業者をいかに見つけられるかがポイントとなります。

ホームセンターや家電量販店のリフォーム窓口

買い物ついでにリフォームの相談ができる手軽さがあります。店頭でカタログなどを見ながら概要について相談した後、紹介された施工業者が後日、自宅に出向いて現場を確認します。現場確認後にプランニングと見積もりを作成して契約に至ったら、施工業者が作業を行います。店舗そのものは仲介を行う代理店の役割を担っています。手軽さと標準的なサービスを求める人に向いているでしょう。

補助金や助成金を活用する

リフォームにはお金がかかりますが、補助金や助成金などをうまく活用できれば自己負担を抑えられます。期間限定の制度もあるので、利用できるものがあるか早めに確認しておきましょう。

長期優良住宅化リフォーム補助金

リフォームによって既存住宅を長寿命化、省エネ化したい人のための補助金で、リフォーム工事費用の3分の1までが補助金として戻ってきます。対象となるリフォームは幅広く、住宅性能の向上、三世代同居対応のための改修工事、子育て世帯向けの改修工事、防災性の向上などが含まれます。お風呂のリフォーム工事で対象になるのは、ユニットバスへの交換、給水・排水溝の更新、耐震性の向上、高断熱浴槽の設置や断熱サッシの交換、内窓や手すりの設置、バリアフリー改修などが含まれます。

補助金の額は、対象工事費用の3分の1までで、補助限度額は1戸あたり80万円が基準となります。リフォーム後に長期優良住宅の認定を受けられる場合には、最大160万円まで、さらに所定の要件を満たせば210万円まで補助金が受けられます。詳しくは、長期優良住宅化リフォーム推進事業のページをご覧ください。[注1]

・補助率:1/3
・補助限度額

リフォーム後の住宅性能補助限度額
一定の性能向上が認められる場合80万円/戸 (130万円/戸)
長期優良住宅認定を取得した場合160万円/戸 (210万円/戸)

※( )内は三世代同居対応改修工事を実施する場合、若者・子育て世帯または既存住宅の購入者が改修工事を実施する場合
※1申請当たりの補助金額が10万円(補助対象工事費が30万円)以下は補助対象外

子育てエコホーム支援事業

子育て世帯・若者夫婦世帯に対して、省エネ住宅の新規取得や住宅の省エネリフォームを支援する補助金制度です。省エネリフォームについては、子育て世帯・若者夫婦世帯に限らず、全ての世帯や法人も対象にしています。補助金額は、1戸あたり20万円を上限としていますが、要件を満たせばさらに補助金が加算されます。エコホーム支援事業者の登録を済ませた事業者とリフォーム工事の契約をすることで、後日補助金を受けられます。詳しくは、子育てエコホーム支援事業のリフォームページをご覧ください。[注2]

・補助限度額

世帯の属性補助限度額
一般的な住宅20万円/戸
子育て世帯や若者夫婦世帯、長期優良住宅の認定を受ける場合30万円~60万円/戸

給湯省エネ補助金

省エネ機能のある給湯設備を導入する住宅に対して補助金を出す制度で、正式名称を「高効率給湯器導入促進による家庭部門の省エネルギー推進事業費補助金」といいます。新築・既存住宅のいずれも対象となります。給湯省エネ事業者として登録された事業者を通じて補助金の申請手続きを行うと、給湯機器と工事費の一部が補助されます。詳しくは、「給湯省エネ事業」のページをご覧ください。[注3]

・補助限度額

給湯器の種類補助限度額
ヒートポンプ給湯器(エコキュート)8万円/台
ハイブリッド給湯器10万円/台
家庭用燃料電池(エネファーム)18万円/台

※高い性能要件、既存設備の撤去費用に該当すると、それぞれ加算あり

介護保険

介護保険によるリフォームは、要支援、要介護認定を受けている人が利用できます。介護保険の対象となる工事費は、生涯で20万円までとなり、そのうち所得に応じて1~3割を自己負担し、差額が介護保険から給付されます。介護保険を利用できるお風呂リフォームには、手すりの取り付け、段差の解消、滑りにくい床材への張替え、引き戸への変更などがあります。バリアフリー化を目的にするため、給湯器や風呂釜の交換などには利用できません。

介護リフォームに介護保険を利用するには、事前にケアマネージャーに相談のうえ、工事前と工事後に市区町村に申請する必要があります。工事が終わってからの申請だけでは利用できないので気を付けましょう。

ローンの利用も検討する

リフォーム費用は、内容によっては高額になる場合があります。手持ち資金で足りない場合などは、信用金庫などの金融機関で取り扱われているリフォームローンの利用も検討しましょう。リフォームローンは、以下のようなポイントに注目してみましょう。

借入可能額

お風呂のリフォームなど小規模なリフォームの場合、審査が早く担保もいらない無担保型のリフォームローンが利用しやすいでしょう。家一棟まるごとのような大規模リフォームには、高額融資が受けられる有担保型のリフォームローンもあります。

金利

借入額が大きく返済期間が長期化するほど、わずかな金利差が支払総額に影響します。返済総額に注目して選びましょう。

返済期間

自身の年齢や月々に支払える返済額を考慮して、無理なく返済できるちょうどいい期間を選びましょう。

まとめ

お風呂の快適さは毎日の充実度に大きな影響を与えます。お風呂の経年劣化が気になる人、ライフスタイルの変化などでリフォームの必要性を感じる人は、早めに資金計画を立てておきましょう。リフォームの自己負担を軽くする補助金制度には期間限定のものもあります。信頼できる業者を選び、必要に応じて制度やリフォームローンを賢く使って、快適な毎日を手に入れましょう。

[注1]国立研究開発法人建築研究所「長期優良住宅化リフォーム推進事業
[注2]国土交通省「子育てエコホーム支援事業 リフォーム
[注3]経済産業省資源エネルギー庁「給湯省エネ2024事業

執筆 氏家祥美

ハートマネー代表。遊びゴコロあるライフプランを共に作るファイナンシャルプランナー・キャリアコンサルタント。「お金・いきがい・つながり・健康」のバランスが取れた100年人生をサポートする。2005年から中立な立場で講演・執筆・相談業務を行うほか、金融リテラシーの普及にも務める。

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