中古住宅でも住宅ローンは借りられる!注意点や住宅ローン控除について解説

読むのにかかる時間: 7

中古住宅の購入を検討している方の中には、「中古住宅だとローンが組めないのでは?」と不安に感じる方もいるかもしれません。中古住宅でも、住宅ローンを組むことは可能です。しかし、中古住宅ならではの注意点もあるため、事前に把握しておく必要があります。

本記事では、中古住宅を購入するために住宅ローンを申し込む際のポイントや、住宅ローン控除の適用条件などを解説します。

中古住宅であっても、新築住宅と同様に住宅ローンを利用できます。一般的に、住宅ローンは新築・中古の区別なく、金融機関が定める対象物件の条件を満たしていれば申込みが可能です。

ただし、新築住宅と比較すると審査が厳しくなる可能性もあります。これは、築年数の経過などにより、住宅の担保評価額が低くなる可能性があるためです。担保評価額とは、住宅ローンの返済が滞ったときに、物件を売却して回収できると見込まれる金額のことをいいます。

中古住宅を購入する際は、築年数や耐震性、建物の状態などをあらかじめ確認しておきましょう。

一般的にフルローンとは、頭金なしで物件購入価格の全額を借り入れることを指します。フルローンで中古住宅を購入することは可能です。ただし、全額借り入れられるかどうかは審査次第であることは理解しておきましょう。

中古住宅の購入と同時にリフォームもしたい場合、主に以下の3つの方法があります。

  • リフォーム費用とまとめて借りられる一体型のローンを利用する
  • 住宅ローンとあわせてリフォームローンを利用する
  • リフォームは自己資金で対応する

リフォーム一体型の住宅ローンでは、住宅購入費用とリフォーム費用をまとめて借りることになります。また、住宅ローンとリフォームローンをそれぞれ利用することも可能です。もちろん、リフォーム部分の費用はローンを利用せず、自己資金で対応するケースもあるでしょう。

いずれのローンを利用する場合でも、対象となるリフォームの範囲、金利、借入限度額、審査基準などは金融機関によって異なります。中古住宅の購入を検討する際は、事前に各金融機関の取り扱い内容や条件を確認しておくことが大切です。

中古住宅を購入する際に必要な費用は、物件の購入費用だけではありません。一般的に、以下のような諸費用が必要です。

  • 不動産業者の仲介手数料
  • 印紙税    
  • 登記関連費用
  • 火災保険料・地震保険料
  • 団体信用生命保険料(特約を付ける場合など)
  • 金融機関の事務手数料
  • 保証料    

諸費用は物件の条件や金融機関、契約内容によって変動します。また、諸費用を住宅ローンに組み込めるかどうかは金融機関によって扱いが異なります。これらの費用をどの範囲まで借入額に含められるか、事前に金融機関に相談するようにしましょう。

一般的に、中古住宅を購入するために住宅ローンを申し込む際は「自己資金の額を増やす」「配偶者や家族の収入を合算する」といった対応が審査を進めるうえでのポイントになります。新築住宅の住宅ローン同様といえるでしょう。

自己資金(頭金)を多く用意できれば借入額を抑えられるため、返済負担率が低くなります。借入額が少なくなれば毎月の返済額も減り、無理のない返済計画を立てやすくなるでしょう。

また、1人で住宅ローンを組むよりも、配偶者や家族の収入を合算したほうが、借入可能額が増える場合があります。ただし、借入額が大きくなるほど毎月の返済負担も重くなるため、将来的に家計を圧迫するリスクがあることも理解しておきましょう。共働き家庭の場合はペアローンを組む選択肢もあるため、返済計画も含めてよく比較し、検討することが大切です。

収入合算やペアローンについて詳しく知りたい方は、こちらの記事もあわせてご覧ください。

中古住宅でも、条件を満たせば住宅ローン控除を利用できます。住宅ローン控除は正式名称を「住宅借入金等特別控除」といい、住宅ローンの年末時点の残高に応じて所得税が軽減される制度です。

以前は中古住宅について「耐火住宅は築25年以内」「非耐火住宅は築20年以内」といった築年数基準がありました。しかし、2022年度の税制改正で要件が緩和され、住宅が新耐震基準に適合している、もしくは耐震基準を満たすことを証明する書類があれば、住宅ローン控除が受けられるようになっています。

参照:国税庁「No.1211-1 住宅の新築等をし、令和4年以降に居住の用に供した場合(住宅借入金等特別控除)」
参照:国土交通省「住宅:住宅ローン減税」

住宅ローン控除については以下の記事でも詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。

なお、本記事で記載している情報は2025年12月時点の制度に基づいています。制度内容は今後も変更される可能性があるため、利用を検討する際は最新の情報を確認することが大切です。

住宅ローン控除の主な適用条件は、以下のとおりです。

  • その者が主として居住の用に供する家屋であること
  • 床面積が50平米以上であること
  • 合計所得金額が2,000万円以下であること
  • 住宅の引き渡し、または工事完了から6カ月以内に居住の用に供すること
  • 店舗等併用住宅の場合は、床面積の2分の1以上が居住用であること
  • 借入金の償還期間が10年以上であること

中古住宅の場合は、上記に加えて以下のいずれかを満たす必要があります。

  • 1982年1月1日以後に建築されたもの
  • 建築後使用されたことのあるもので、地震に対する安全性に係る基準に適合するものとして耐震基準適合証明書などにより証明されたもの

中古住宅でも住宅ローン控除の対象となりますが、耐震性に関する確認事項が加わるため、購入前に条件を細かく確認しておくことが大切です。

参照:国土交通省「住宅ローン減税制度について」

新築住宅と中古住宅では、借入限度額(住宅ローン控除の対象となるローンの年末残高の上限)や控除期間に違いがあります。たとえば、新築住宅の場合、「長期優良住宅・低炭素住宅」に該当し、かつ「子育て世帯・若者夫婦世帯」であれば、借入限度額は5,000万円で、控除期間は13年間です。

対して中古住宅の場合、「長期優良住宅・低炭素住宅」「ZEH水準省エネ住宅」「省エネ基準適合住宅」のいずれかに該当する住宅の場合は、借入限度額は3,000万円となります。これらの住宅に該当しない場合の借入限度額は2,000万円です。控除期間はいずれも10年間で、新築に比べると受けられる控除の総額は少なくなる傾向があるといえるでしょう。

参照:国土交通省「住宅ローン減税制度について」

前述のとおり、中古住宅で住宅ローン控除を受けるには、新築と同様の条件に加えて、築年数や耐震性に関する追加の条件を満たす必要があります。

ただし、「耐震基準適合証明書」や「建設住宅性能評価書」あるいは「既存住宅売買瑕疵(かし)保険付保証明書」により、現行の耐震基準に適合していることが確認できれば、住宅ローン控除を受けられる可能性があります。これらの証明書を取得するには、建築士や専門機関による現地調査や検査が必要です。一定の費用や手間がかかることを知っておきましょう。

このほかにも、住宅ローン控除を受けるには、合計所得金額や入居時期、床面積、返済期間など、新築住宅と同様の条件を満たしている必要があります。利用を検討する際は、購入前に条件を確認するようにしましょう。

参照:国土交通省「住宅ローン減税制度について」
参照:国土交通省住宅瑕疵担保制度ポータル「既存住宅売買瑕疵保険について」

中古住宅でも住宅ローンを借りることは可能

中古住宅を購入する際も住宅ローンの利用が可能であることを解説しました。

中古住宅も、新築住宅のように住宅ローン控除の対象となりますが、新耐震基準への適合や、耐震性を証明する書類が必要となる場合があります。条件を満たしていれば控除を受けられるケースも多いため、事前によく確認しておくことが大切です。

中古住宅の購入や住宅ローンに不安がある場合は、お近くの信用金庫にご相談ください。資金計画や制度の適用条件について、具体的なアドバイスを受けられるでしょう。

執筆 尾関久子
監修 水野崇

CFP/1級FP技能士。東京理科大学卒業。中学、高校、大学、専門学校で金融経済教育を行うほか、テレビ朝日、BSテレ東、TOKYO MXの番組に出演。NHKドラマ「3000万」家計監修。「水野総合FP事務所」代表として、相談、執筆・監修、講演・講師、取材協力、メディア出演など幅広く活動している。
【URL】https://mizunotakashi.com/

  • 本コンテンツは一般的な情報提供を目的としたものです。
  • 各記事の掲載時点で信頼できると判断した情報源を基に作成したものですが、その内容および情報の正確性と完全性を保証するものではありません。
  • また、今後予告なしに変更されることがあります。